笹川美和Official
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2025.05.23

#90 銀のこと

5月22日。
愛犬の銀が荼毘に付しました。

私が上京して程なく、原因不明の下半身付随となりオムツ生活、完全に失明もし、介護犬となっていました。
ただ食欲は全く衰えず、両親が時には祖母も甲斐甲斐しく介護をしてくれていたお陰で、ワガママはそのままにそこから5年もの間元気に過ごしてくれました。

帰省時に、銀をお風呂に入れて、ドライヤーをかけてあげることが、私にできる愛情の示し方でした。
気持ちよさそうな顔、満足そうな顔を思い出します。

今年のGWにもしっかり綺麗にしてあげて、抱っこしながらお散歩もできて良かったです。

亡くなる数日前から、食欲もなくなりもう長くないかも、と母から電話で聞いていたので何となく覚悟はしていました。

先住犬のキャバリアの雌を亡くした後。
父が知り合いのブリーダーさんからトイ・マンチェスターテリアの雄、“宇宙”(そら)を譲り受けて来て、その数ヶ月後に私が迎い入れたのが銀でした。
イタリアン・グレイハウンドの雄で、ブルーグレー色の毛並みがとても綺麗だったので、“銀”と私が名付けました。

2頭はとても仲が良くて、そんな兄犬宇宙も、父の帰宅を待って一足早く虹の橋を渡りました。

馬のように走るので脱走するともうお手上げ。
遠くの畑まで一直線、豆粒の様に見えるまでは一瞬。
田舎で良かった、、、

抱っこも甘えるのもあまり好きな子ではありませんでしたが、
夜寝る時は、お股の間に居るか(お股か脚の付け根を枕にして、足の間に縦長に収まる感じ。笑)、背中をどこかにくっつけて寝る子でした。
そして不意の激しいキスが好きな子でした。

目がガラス玉の様に綺麗でした。
「彼の目」と云う曲は銀が主人公の曲です。

悲しい、寂しいよりも、
これでやっとどこも痛くなくて、好きなだけ自由に走り回れて、たくさんの景色と光を見ることが出来るところに行けるのだなぁ。
と安堵の気持ちの方が強く涙は出ませんでした。

だのに今、これを書いていたら泣けてきました。
呼吸困難になりそう。
参ったな今夜予定があるのに。目を張らして行かなくちゃじゃないのよー。
え、顔認証イケる?大丈夫そ?
保冷剤あてなくちゃ。。。

宇宙が待ってるね。

17年間、ありがとう銀ちゃん。
そのおめめに悪いものたくさん吸い取ってもらいました。
本当のバイバイだ。

「彼の目」 作詞/作曲 笹川美和

今日は朝からあなたはご機嫌ななめのようで
僕は理由を知っているから話をしたりはしない
ただ傍に行ってみて横に座るだけ。

今日は朝からあなたはご機嫌よろしいようで
僕は理由を知っているから話をしたりはしない
ただ空を眺めてお昼寝をするのさ。

でもね、でもね、涙が見えたら僕は魔法を使うよ。
僕の目を、さぁ見てください。
涙を吸い込むよ。

今宵はお酒をめずらしく嗜まれるようで
僕は理由を知らないけれど話をしたりはしない
ただ顔に近づいてみて、Kissを試みる。
Kissを試みる。

笹川美和

Miwa Sasagawa

1983年2月23日生まれ、新潟県出身。
シンガーソングライター。
学生時代から地元・新潟を拠点に音楽活動を始め、2003年にavex traxよりシングル「笑」でメジャーデビュー。
その独創的な世界と歌声が話題を集め、数々のCMやドラマ、舞台の主題歌に起用される。
2003年のデビュー以降、言葉を紡ぎ出すストーリーテラーな面と経験を歌に昇華することから、エッセイスト的シンガーソングライターとして唯一無二の楽曲を生み出している。

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