2024.03.22
#27 佐渡ヶ島のウニのこと
改めまして、今週月曜。
無事に『青海原』デジタルリリース出来ました。
新曲を発表出来る喜びと嬉しさが、年々増しています。
と云うことで、今回はこの新曲『青海原』が主題歌、佐渡ヶ島が舞台の映画「舞倒れ」にちなみ、私の佐渡ヶ島での、とある強ーくカラダに刻みこまれた思い出を一つ書き記したいと、思います。
私は過去三度佐渡ヶ島を訪れたことがあり、今回の思い出は初めて来島した時のこと。
小学校6年生の修学旅行でした。
修学旅行らしく、佐渡金山での砂金取り体験や、選べる伝統工芸コースで、私は織り機を使う裂き織りコースに行き小物敷き作り、また同部屋の友人達との夜更かしを楽しみ、しかもその夜の消灯後、なんとその部屋の入り口付近の壁から、青白く光る肘から下の腕がだらりと突き出ているものを、同部屋全員が確認し皆で怯える不可思議体験までしたのに、今回の出来事は、これら全てを凌駕した体験。
それは2日目の朝に起きました。
宿泊先の裏が岩場の海岸になっており降りる事が出来きたので、たくさんの同級生達が、引潮で剥き出しになった岩場で小さな蟹を見たり、水溜まりの小魚や貝などを見て楽しんでおりました。
私も同じく、水溜まりの生き物を物珍しく観察していると小さなウニを発見。
私は初めて生で見るウニに興奮し、つい触ってしまったのです。
途端に指先に激痛が…
それが悪夢との戦いの始まりでした。
細い一本の棘が、右手人差し指と爪との間に刺さり、しかもそれが指先に残ったまま折れてしまったのです。
良く考えれば、いや良く考えなくたって分かります。
棘は刺さるって…
慌てて同伴の保健医さんに診てもらい、ピンセットで抜いてくれようとはしたのですが、私はピアノを習っていて爪の白い部分が無いに等しいくらい短くしていたので、それが仇となり、棘の先ちょがピッタリハマりどうにも抜けない。
〝これは爪が伸びて、自然に出てくるのを待つしかないわねぇ〟と言われ、消毒だけされる始末。
爪から透けて見える黒く細い2ミリ程の棘が、見た目にもおぞましく気になり、残りの予定の楽しみも半減。
その内に化膿してきて、パンパンに腫れた指先は痛痒く、そのまま帰宅。
このまま指が腐りおっこちたらと、日夜不安な日々。
しかし、人の身体の自然治癒能力とは凄いもので、1週間も経つと棘こそ見えるものの、後は通常の指先に。
気がつけば棘先が出て来たので、恐る恐るピンセットで摘み出してみると、あっけなくスルッと取れたのでした。
こんなに小さいものが私をあんな苦しめたのかぁと思い、コレは本来佐渡ヶ島に居るべきだったのが、島を渡ってきたのだよなぁと不思議な気持ちになったことを覚えています。
今では大好きな雲丹。
食べる度に、また佐渡ヶ島を目にする度に、0.1秒。
ほんの一瞬、この佐渡ヶ島のウニの棘事件を思い出します。