2024.03.01
#24 お雛さまのこと
「今年はお雛さま飾ったわよ!」
と受話器の向こうの母からの報告。
祖父が私に揃えてくれたもので、本当は七段のお雛さま。
祖父が亡くなるまでは、毎年必ず飾っていたのですが、お仏壇を迎えるにあたり、屋場所の問題で七段全部を飾ることが難しくなったので、男雛と女雛の親王さまだけを飾っておりました。
ただ私が実家を出る年に飾るタイミングを逃して以降、私が居ないことも相まって出さなかったようなのですが〝そうだ!今年はお雛さまを出そう!〟と思い立ったそう。
〝昇ってくる朝日が見えるし、沢山見てもらえるから〟と5年ぶりに初めて玄関にお並びに。
実際、親戚に好評だとかで、私もなんだか嬉しい。
飾った日。
両親二人で鑑賞しながらこんな会話がなされたそう。
「美和が嫁に行けないのは、お雛さま飾らねかったからだわや」と、父。
「関係ないわよ」と、母。
「そうだか」と、父。
「なにその会話」と、それを聞いた娘、私爆笑。
何はともあれ、私の幸せを願って揃えてくれた祖父の想いを目で見ることが出来るのは、それだけで幸せな気持ちになります。
私のお雛さまです。